奥の細道 裏見の滝 2022年11月23日 廿余丁山を登つて滝有。岩洞の頂より飛流して百尺、千岩の碧たんに落たり。岩窟に身をひそめ入て、滝の裏よりみれば、うらみの滝と申伝え侍る也。 暫時は滝に籠るや夏の初 「廿余丁山を登つて」とは、畑地を過ぎて山に入ってからのことでしょう。1丁は100メートルちょっとです。東照宮などがある地域からは5キロ以上、ひたすら上り坂を進み、右に大きむ回り込むと水源地があり、そこを過ぎると山道とな…続きを読む
奥の細道 黒髪山・曾良 2022年11月23日 黒髪山は霞かゝりて、雪いまだ白し。 剃捨て黒髪山に衣更 曾良 曾良は河合氏にして惣五郎と云えり。芭蕉の下葉に軒をならべて、予が薪水の労をたすく。このたび松しま・象潟の眺共にせん事を悦び、且は羈旅の難をいたはらんと、旅立暁髪を剃て墨染にさまをかえ、惣五を改て宗悟とす。仍て黒髪山の句有。「衣更」の二字、力ありてきこゆ。 黒髪山とは男体山のことです。「雪いまだ白し」との記述…続きを読む
奥の細道 日光 2022年11月15日 卯月朔日、御山に詣拝す。往昔、此御山を「二荒山」と書しを、空海大師開基の時、「日光」と改給ふ。千歳未来をさとり給ふにや、今此御光一天にかゝやきて、恩沢八荒にあふれ、四民安堵の栖穏なり。猶、憚多くて筆をさし置ぬ。 あらたうと青葉若葉の日の光 日光には、徳川家康をまつる東照宮をはじめ、輪王寺、二荒山神社などたくさんの寺社があり、多くが世界遺産に指定されています。参拝客で大賑わいです。 …続きを読む
奥の細道 仏五左衛門 2022年11月15日 卅日、日光山の麓に泊る。あるじの云けるやう、「我名を仏五左衛門と云。万正直を旨とする故に、人かくは申侍まゝ、一夜の草の枕も打解て休み給へ」と云。いかなる仏の濁世塵土に示現して、かゝる桑門の乞食巡礼ごときの人をたすけ給ふにやと、あるじのなす事に心をとゞめてみるに、唯無智無分別にして正直偏固の者也。剛毅木訥の仁に近きたぐひ、気稟の清質、尤尊ぶべし。 芭蕉は日光街道の鉢石(はついし)宿に泊まりま…続きを読む
奥の細道 室の八島 2022年09月25日 室の八島に詣す。同行曽良が曰く、「此神は木の花さくや姫の神と申て富士一躰也。無戸室に入て焼給ふちかひのみ中に、火々出見のみこと生れ給ひしより室の八島と申。又煙を読習し侍もこの謂也」。将、このしろといふ魚を禁ず。縁起の旨世に伝ふ事も侍し。 7時31分新宿発の特急日光に乗り栃木で乗換え、東武宇都宮線の野州大塚駅で下車。少し歩いたところにある大神神社(おおみわじんじゃ)の境内に、「室の八島」…続きを読む